10年選手の詰め物、大丈夫?
──中高年こそ見直したい“やり直し治療”の話


入れ歯の寿命  

年齢を重ねるにつれて、ふと気になるのが「昔入れたあの詰め物、今もちゃんと働いているのか?」という疑問。2030年前に入れたクラウンやブリッジ、インレーが、そろそろ寿命を迎えているかもしれません。

今回は、岡山大学の研究でも注目されている「レストレーションサイクル(修復物の再治療サイクル)」をもとに、修復物のやり直し治療の必要性とその背景についてお伝えします。

 

修復物に寿命があるって知っていましたか? 

クラウンやインレーなどの修復物には、平均1015年の寿命があるとされています(Gordan et al., 2015)。これはあくまで目安ですが、使い方やメンテナンス次第で、寿命を迎える時期は変わってきます。

特に中高年になると、かつて入れた修復物が見えないところで劣化しているケースも。見た目に変化がなくても、中で虫歯が進行していることもあります。

 

「レストレーションサイクル」とは?

岡山大学の研究で提唱されている「レストレーションサイクル」とは、修復物は永続的ではなく、一定の期間でやり直しが必要になるという考え方です。

そして、再治療のたびに健康な歯質も削られることで、結果として歯そのものの寿命を縮めてしまう──そんな臨床的な現実があるのです。

  • 初回治療から精度を追求すること
  • 必要な時期に適切な再治療を行うこと

この2つが、歯の健康寿命を大きく左右します。

 

中高年のお口に起こりやすいトラブル 

長年使い続けてきた詰め物・被せ物には、次のようなトラブルがよく見られます:

  • 詰め物が割れる・外れる
  • すき間から虫歯が再発
  • 歯周病が進行し、支えが弱くなる
  • 色が変わったり、表面が欠ける

さらに加齢により、唾液が減ったり、噛みしめが強くなったりといった変化も重なることで、修復物の劣化が加速するのです(Fernandes, 2015)。

 

こんな症状、ありませんか?

  • 被せ物のあたりに違和感がある
  • 歯ぐきがしみる、噛むと痛い
  • 見た目の変化(黒ずみ・欠け)
  • フロスが引っかかる

このようなサインがあれば、「まだ使える」ではなく、「そろそろやり直すタイミングかも?」と考えてみましょう。

 

やり直し治療を最小限に抑えるには

はせがわファミリー歯科クリニックでは、担当歯科衛生士制による予防管理と、定期的なメンテナンスによって、やり直し治療をできるだけ減らす取り組みを行っています。

たとえば:

  • 担当衛生士による定期メンテナンスとリスク評価
  • 耐久性の高い素材(ジルコニアなど)の提案
  • セルフケアの質向上をサポート

修復物の寿命は、選ぶ材料と日々のケアで変わります(Amend et al., 2022)。

>> くわしくは

 

詰め物も定期点検が必要です

「昔入れたけど問題ない」と思っている方こそ、ぜひ一度見直してみてください。

中長期的に歯を守っていくためには、詰めたあとの管理こそが重要です。

はせがわファミリー歯科クリニックでは、予防と再治療の最適なバランスを、担当衛生士と一緒に考えていきます。

お気軽にご相談ください。志木駅徒歩10分です。

>>詳しくはこちら
https://www.hasegawa-fd.com/maintenance/

 

参考文献(抜粋)

  • Gordan, V. V., et al. (2015). J Am Dent Assoc.
  • 吉山昌宏・松崎久美子(2023. 日本歯科保存学雑誌.
  • Fernandes, N. A., et al. (2015). SADJ.
  • Blum, I. R., et al. (2018). Br Dent J.
  • Amend, S., et al. (2022). J Clin Med.